Google検索広告において、2024年3月末に「上位の広告」の定義が変更されたことはご存知でしょうか?
検索広告は検索画面のなるべく上の方に表示させたいものですよね。
しかし、今回の変更によって、検索広告の表示位置が変わる可能性があるのです。
Googleから届いたメールによると、今まで上位の広告はオーガニックの検索結果の上に表示されていましたが、今後、特定の検索語句ではオーガニックの検索結果より下に表示されることがあるそうなんです。
目次
「上位の広告」の定義と公式ヘルプページリンク
まずは、定義の変更とは具体的に何が変更されたのか、見ていきましょう。
参照URL(Google広告ヘルプ):https://support.google.com/google-ads/answer/14660113
上位の広告
これまで上位の広告はオーガニックの検索結果の上に表示される広告のことでしたが、今後、特定の検索語句ではオーガニックの検索結果より下に表示される広告と定義されるようになりました。
最上位の広告
上記で定義変更された「上位の広告」のうち、一番上に表示される広告のことです。
変更後の定義に関する2種類の解釈
下の画像は、従来の定義のイメージと、変更後の定義のイメージです。


弊社としては、変更後の定義について上記(その1)のような解釈をしていますが、下記(その2)のような解釈をされている方もいるようです。

Googleの窓口に問い合わせをしてみましたが、どちらの表示になるか明確な回答ができるだけの情報が窓口に降りてきていない、とのことでした(2024年4月18日時点)。
公式ヘルプページによる変更の詳細とリンク
視認性の高さ
視認性とは広告がページ内でどの程度目立つかを示す予測値です。上位の広告の表示位置変更により、視認性の高さは変わります。
検索結果ページの上部インプレッションと最上部インプレッションに関する指標
「上位の広告」「最上位の広告」の定義変更の影響を受けるのは、以下8個の指標です。
・検索広告の上部インプレッション率
・検索広告の最上部インプレッション率
・検索広告の上部インプレッション シェア
・検索広告の最上部インプレッション シェア
・検索広告の最上部インプレッション シェア損失率(予算)
・検索広告の上部インプレッション シェア損失率(予算)
・検索広告の最上部インプレッション シェア損失率(ランク)
・検索広告の上部インプレッション シェア損失率(ランク)
掲載結果データをさらに細かく分割表示する
上記の変更により、「Google検索:上部」の行には「上位の広告」として表示された広告のパフォーマンスが表示されます。実際の管理画面では、「分類」をクリックして「上部 vs その他」を選択すると確認することができます。以下の矢印で示した部分です。

広告を上位の広告の1つとして表示する
上位の広告は検索結果の上部にのみ表示されていましたが、上記の変更により、特定の検索語句ではオーガニックの検索結果より下に表示されるようになりました。広告の掲載位置は広告ランクによって決まります。上位の広告の1つとして表示するには、他の場所の広告より広告ランクの下限値が高くなります。
目標インプレッションシェアによる入札について
上位の広告の1つ、上位の広告の最上位、または他の場所に広告が表示されるように入札単価を設定する自動入札戦略のことです。目標インプレッションシェアによる入札は、ブランド名が検索されたときや、ブランド認知度を向上させたいときなどに使うと効果的です。戦略の詳細を設定する際、広告掲載場所について、上部や最上部といった選択肢があり、「上位の広告」の定義が変更されたことで、各選択肢の定義も影響を受けています。
以上がGoogle広告ヘルプページによる変更の詳細です。
自然検索よりも下に表示されるケースとは
それでは、特定の検索語句で上位の広告がオーガニックの検索結果より下に表示される可能性とはどういうものが考えられるでしょうか。
Googleの生成AI Gemini(Google Bardが2024年2月に名称変更)にチャットで聞いてみました。
商標を含む検索語句:商標権侵害を防ぐために商標を含むキーワードで入札できない場合があり、検索結果の方が上位に表示される。
情報収集目的の検索語句:ユーザーは広告よりもオーガニック検索結果の方が信頼できると判断するため、検索結果の方が上位に表示される。
ローカル検索:ユーザーの所在地に近い店舗やサービスを優先的に表示するため、検索結果の方が上位に表示される。
その他:季節性やユーザーの検索履歴などの要因で、検索結果の方が上位に表示される。
以上、Geminiの回答をご紹介しました。
また、Googleは生成AIに力を入れているようなので、生成AIによる回答を検索画面の一番上に表示し、広告が邪魔にならないようにするためではないか、と考えられます。
あくまで予想ですが、Googleの生成AIによる検索体験(SEG)は現在テスト環境で利用できるようになっており、生成AIは個々のユーザーにとって最適化された関連性の高い情報を優先的に表示するものなので、この可能性は高いのではないかと思っています。
以上、ざっくりと可能性を探ってみました。
まだ実際にどのような影響が出てくるか分かりませんが、上記のことを想定して、検索結果と関連度の高い広告を作成し、希望する位置に広告を出せるようにしたいですね。
(2024年4月19日初稿)